資金繰りを考える必要があるかも!と思ったら、まずは「お金の出入り」に意識を向けることから始めるとよいと思います。
倒産した会社のうち赤字だった会社の割合は?
先日、とあるセミナーのなかで、
倒産した会社のうち赤字だった会社の割合は?
という話がありました。
少し古いデータになりますが、帝国データバンクによると
リーマンショック等の影響があった2008年度の上場会社の倒産が45社
で、そのうち赤字だった会社が「24社」だったとのこと。
逆に言えば、
倒産した上場会社45社のうち、21社(47%)は黒字だった
ということになります。
初めて聞く人は、「結構多いよね」という印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
黒字倒産というと
「勘定合って銭足らず」
という表現がよく使われますが、これは
利益が出ているのに資金が足りなくなってしまう状態
を表しています。
実際には、
「一時的」「瞬間的」な資金ショート
で倒産することはあまりないと思いますが、
「会社のいろいろな状況により、融資が受けられなくなってしまう」
ことによって倒産に追い込まれてしまったというケースも多かったのでしょう。
資金繰りを考える第一歩は?
黒字倒産の直接的な原因、事情はいろいろあるとしても、とりあえず言えることは
お金がありさえすれば、利益が出ていなくても倒産することはない
ということです。
その意味でも、「お金の流れ」「資金繰り」についても目を向けておく必要があります。
もしも今まであまり資金繰りのことを考えたことがない場合、まずは
「お金の出入り」
に意識を向けることから始めるのがよいのではないでしょうか。
「利益とお金は別物である」
ということをを把握しておくのもその1つですね。
いくら利益が出ていたとしても、会社にお金が残っているとは限りません。
たとえば、
・販売代金が回収出来ていない
・設備投資をたくさんした
・余計な在庫をたくさん抱えている
・借入金の返済をした
という場合には、見た目の利益ほど手元にお金が残っていないかもしれません。
逆に、
・販売代金を前払いしてもらった
・新たな借り入れをした
という場合には、利益には関係なくお金は手元に残っているでしょう。
これらはほんの一例ですが、まずはこのような
・お金の出入り
・お金の残し方(残り方)
に意識を向けてみるとよいのではないかと考えています。
まずは自社の状況を確認すること
漠然と「お金の出入り」のことを考えようとしても、
どこから手をつけたらよいか?
が分からないかもしれません。
何もしていないのであれば、簡単な資金繰り表を作ってみてもよいでしょう。
どんなタイミングで「お金が増えているか?」「お金が減っているか?」が分かると思います。
たとえば
商品を仕入れて販売すればするほどお金が減っていく(利益は出ていても)
という可能性もあります。
極端なケースですが
・現金仕入れ
・販売代金の回収は2ヶ月後
という取引であれば、取引が増えるほど、どんどんお金が先に出て行きますので。
このような状況は、損益情報だけを見ていては分かりません。
お金の入出金のタイミングだけの問題であり、利益は出ているわけですから。
仮に会社がこのような状況であれば、
運転資金を厚くする必要がありますし、
支払条件/回収条件を交渉して見直してもらう必要があるかもしれません。
このように、
会社の課題や将来的に懸案になりそうなことを早めに洗い出して、手を打つためにも、
まずは自社の状況をざっくりと確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
【編集後記】
昨日は、以前から気になっていたマインドマップセミナーを受講してきました。
テクニック的なことよりも、ベースにある考え方をしっかりと聞くことができたので参考になりました。
かなり使えそうです。
ルノアール品川高輪口店
あきた美彩館
マインドマップセミナー